花木図鑑|ひみつの花園 | 柳花笠 ヤナギハナガサ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

6月

7月

8月

柳花笠 ヤナギハナガサ

  • 花が咲く
  • 多年草
  • 山野草
南アメリカから観賞種として持ち込まれた栽培種が野草化して、各地の野山に見られる。

 

<三尺バーベナとも呼ばれる柳花笠>

柳花笠(ヤナギハナガサ)は、三尺バーベナとも呼ばれるクマツヅラ科クマツヅラ属の多年草です。柳花笠の名は、葉が柳のように細長く、小さな花が集まって咲く様子が花笠に似ていたことからつけられたそうです。
柳花笠は、丈夫な園芸品種として知られる宿根バーベナとよく似た花です。宿根バーベナよりも草丈が高いのが特徴で、60〜150cmほどの高さにまで生長します。三尺バーベナ(三尺は約90cm)という名前は、その高い草丈から来ています。
 
 

<柳花笠は帰化植物>

柳花笠は、もともと「バーベナ・ボナリエンシス」と呼ばれていました。「バーベナ」は「神聖な葉・枝」という意味で、バーベナの仲間は古代ヨーロッパでは儀式に用いられていたのだそうです。「ボナリエンシス」は「ブエノスアイレスの」という意味。その名の通り、アルゼンチン(首都はブエノスアイレス)をはじめとするコロンビア、ブラジル、チリなどの南米諸国が原産のバーベナです。
原産地では、牧草地、草原、河川敷、市街地など、日当たりの良いところで見られます。バーベナ・ボナリエンシスはやがて、花姿の美しさから観賞用の花として世界中に流通するようになりました。日本に伝来した時期は正確にはわかっていませんが、1940年代後半ごろには東海地方での帰化(野生化すること)が確認されました。その後は園芸品種として流通するとともに、日本全国での帰化が進んでいます。
こぼれ種でも増え、旺盛な繁殖力を誇る柳花笠は、環境省が2015年に発表した「我が国の生態系に影響を及ぼすおそれのある外来種リスト」にもその名が記載されています。
柳花笠を園芸用に楽しむことへの規制はありませんが、敷地の範囲を超えて増えすぎることがないように注意が必要です。
 
 

<植えっぱなしでよく育つガーデニングの強い味方>

“生態系に影響を及ぼす”とまで言われてしまう柳花笠は、それだけ丈夫で育てやすい花だとも言えます。
パンジー、ビオラ、サイネリアなど、日本の高温多湿になる夏を越すことができない花も多い中、柳花笠は暑さに強く、6月から8月までの暑い盛りに花を咲かせてくれます。暑さだけでなく、寒さにも強く、翌年も花を咲かせてくれる頼もしい多年草です。そのうえ病気にもかかりにくい柳花笠は、ガーデニングの強い味方になってくれる存在です。
また、背丈が高い柳花笠があると、その場が華やかになることも魅力です。他の花々と組み合わせるときは、奥に配置すると、他の花をじゃますることなく立体感を演出できます。
南米原産の花ですが、のびのびと茎を伸ばす柳花笠は、自然を生かしたイングリッシュガーデン風の庭づくりにも向いています。
分類 クマツヅラ科クマツヅラ属
原産地 南アメリカ
英名・学名 purpletop vervain、Verbena bonariensis L
別名 サンジャクバーベナ
花色 ピンク
鑑賞期 6~8月
当園での植栽エリア 園内歩道周辺等
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※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖