花木図鑑|ひみつの花園 | 蘇鉄 ソテツ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

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蘇鉄 ソテツ

  • 花が咲く
  • 低木
  • 常緑樹
九州南部では大変馴染み深い庭木・観葉植物。1m育つのに40年以上かかるとされ生長の遅いことが特徴の一つである。オス株とメス株があり、片方の株だけでは受粉しません。10~15年に1度花を咲かせる。

 

<蘇鉄(ソテツ)とはどんな植物?>

蘇鉄は、沖縄の南西諸島に自生する裸子植物ソテツ科の常緑低木樹です。日本では、庭木としての歴史が古く、室町時代には京都で庭園に植えられていた記録があります。
蘇鉄という名前は「鉄で蘇る」という意味です。弱った蘇鉄の株に肥料として鉄屑や鉄の釘を与えると蘇るという言い伝えがあることから、この名前がつきました。
ヤシの木やシュロに雰囲気が似ていますが、大きさが異なり、蘇鉄の方が小さめで葉の形も異なります。
古くから庭木や街路樹として親しまれているため、3mを超えるほど大きくなった蘇鉄も日本各地で見られます。しかし、蘇鉄の生長するスピードはゆっくりで、1年に1〜4cmほどしか生長しません。観葉植物として、室内で育てられる小さな蘇鉄も流通しています。大きくなりすぎる心配はないので、鉢植えで育ててみるのもおすすめです。
 
 

<蘇鉄は、本当に鉄で蘇る?>

鉄を与えると、本当に元気のない蘇鉄が蘇るのでしょうか?
蘇鉄ではありませんが、トウガラシで実験した例が一般に公開されていました。2株のトウガラシを用意して、水に溶ける状態にした鉄を一方に与えたところ、鉄を与えられた方のトウガラシは明らかに根が増え、活性化したそうです。
蘇鉄は生長スピードがゆっくりなので、鉄を与えた場合に本当に目に見えた変化があったのかは疑わしいと言われています。しかし、もともと蘇鉄は身分の高い人への贈答品として用いられていたような貴重な植物だったので、長期にわたって蘇鉄の状態を観察した人がいたのかもしれません。
 
 

<蘇鉄は、古代から存在する「生きた化石」>

蘇鉄は「生きた化石」と言われます。それは単に古くからあるという意味ではなく、恐竜がいた1億年以上も前から、この地球に自生していた植物だからです。
蘇鉄の化石は、実際にも多く見つかっています。ジュラ期後期の約1億5500万年前の化石には、今とまったく変わらない特徴のある葉の形がはっきりわかるものもあります。
今は人間の手によって、園芸品種が流通したり、世話をされている蘇鉄ですが、地球の生物としては、人間の大先輩にあたる存在です。
蘇鉄と同じように「生きた化石」と呼ばれる動物、植物は他にもあります。魚類のシーラカンス、アロワナ、節足動物のカブトガニ、植物のイチョウ、メタセコイアがその例です。
 
 

<めずらしい蘇鉄の花とその花言葉>

蘇鉄は、約10年に1回しか開花しないと言われています。花の咲く時期は5月から7月頃です。蘇鉄は雌雄異株の植物で、細長い松ぼっくりのような形をした雄花とドーム型の雌花があります。花の咲く周期には個体差があり、植えてから20年以上経ってようやく咲くこともあるそうです。その貴重さから、蘇鉄の花は「幸運を呼ぶ花」とも呼ばれます。
そんな希少な蘇鉄の花の花言葉は「雄々しい」です。南国らしい、力がみなぎった印象からこのような花言葉がつけられたのでしょう。
 
分類 ソテツ科ソテツ属
樹形 常緑低木(高さ1~5メートル)
英名 Japanese sago palm・Sago Palm・Cycas revoluta
別名 鉄焦・テッショウ・鳳尾焦・ホウビショウ
花言葉 雄々しい
鑑賞期 通年
当園での植栽エリア 第1駐車場周辺
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖