花木図鑑|ひみつの花園 | 山茶花 サザンカ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

11月

12月

山茶花 サザンカ

  • 花が咲く
  • 高木
  • 常緑樹
秋の終わりから冬の寒い時期に花を咲かせる。椿(ツバキ)との違いは、葉先の形状がザラザラとしており、花弁は椿と異なりバラバラに散ります。花の後には椿よりも小ぶりな実がなり、油も採取できます。
 

<山茶花と椿のちがい>

山茶花(サザンカ)といえば椿(ツバキ)ととてもよく似た花。おしべの具合も少しちがうのですが、それよりもわかりやすい見分けるポイントは「花の散り方」です。椿は花ごと落ちるのに対し、山茶花は花びらが一枚一枚散っていきます。椿の花の落ち方は縁起が良くないとされ、武家では好まれず、家紋にすることを避けられたという話もあります。
山茶花は、武士に敬遠されることがなかったためか武家屋敷に植えられた名残りが今も全国各地で見られます。大分県日出町の大山茶花は推定樹齢が400年を超えることで知られ、観光スポットになっています。この大山茶花は、花びらの先端部分がピンク色という野生品種にはない花色をしているそうです。江戸時代初期の頃にはすでに山茶花の園芸品種があったことには驚いてしまいます。
今も山茶花の園芸品種は増え続けていて、薔薇のような八重咲きや花びらにグラデーションがある花など豊富な品種がそろっています。

 

<英語でもサザンカと呼ばれる理由>

山茶花は英語でもサザンカと呼ばれ、Sasanquaと書きます。ヨーロッパでも、Sasanquaと呼ばれているそうです。
テレビドラマ『相棒』の「サザンカが咲く頃に」という話の中では、世界中でサザンカという言葉が通用することから、ある機密文書を解くためのキーワードとして使われています。
ちなみに、山茶花とよく似た椿は、山茶花の学名にも影響し、山茶花の学名「Camellia sasanqua」の前半部分のカメリアとは椿のことです。椿にはカメリアという外国語らしい名前があるのに山茶花にそれがないのは、この花が日本から世界へと広まったからです。
江戸時代中期(1775年)に来日したオランダ商館付きの医師のツンベルクは、植物学者の顔も持ち、一年の滞在期間に多くの日本の植物を集めたそうです。山茶花はその中の一つで、ツンベルクは帰国時に山茶花をヨーロッパに持ち帰ります。このときにサザンカの名も一緒に伝えられたことから、サザンカという日本の名前が世界で通じるようになりました。

 

<山茶花の色ごとの花言葉>

日本で古くから園芸品種として親しまれている山茶花。薔薇やチューリップなどポピュラーな花には色ごとの花言葉が決まっていますが、山茶花も色別の花言葉があります。
はじめに、山茶花全体の花言葉は「ひたむきさ」「困難に打ち勝つ」です。冬の寒さに負けずに美しく咲く山茶花らしい言葉ですね。
続いて、色別の山茶花の花言葉をご紹介します。
 
 赤の山茶花…「謙譲」「あなたがもっとも美しい」
 
 白の山茶花…「愛嬌」「あなたは私の愛を退ける」
 
 ピンクの山茶花…「永遠の愛」
 
花の少なくなる冬の時期に目を楽しませてくれる山茶花。気をつけて見ていると、公園や街中でも美しい花を咲かせています。花言葉を覚えておけば、冬の散歩道でも会話もはずむのではないでしょうか?
分類 ツバキ科ツバキ属
樹形 常緑広葉小高木(高さ1~10ートル)
英名 Camellia sasanqua
別名 姫椿・ヒメツバキ・コツバキ・コカタシ・カタシ
花色 白・ピンク・赤・複色
花言葉 【赤いサザンカ】謙譲・あなたがもっとも美しい
【白いサザンカ】愛嬌・あなたは私の愛を退ける
【ピンクのサザンカ】永遠の愛
鑑賞期 11~12月
当園での植栽エリア 石原ワールド(石原和幸氏監修エリア)
関連LINK NHK出版 みんなの趣味の園芸
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖