花木図鑑|ひみつの花園 | 彼岸花 ヒガンバナ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

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彼岸花 ヒガンバナ

  • 花が咲く
  • 多年草
  • 動画情報あり
全草有毒な球根性植物。あぜ道などに群生して咲く赤い花が一般的だが、稀に白い花も見られる。日本ではあまりいいイメージを持たれていなかったが、欧米では人気が高く多くの園芸品種が開発され、黄色(ショウキズイセン)や青系(リコリス・スプレンゲリ)の花色もある。

 

<何がちがう?「彼岸花」と「曼珠沙華」>

「彼岸花」と「曼珠沙華」は同じ花?どこがちがうの?と疑問に思う人もいるかもしれません。
結論から言うと、この2つはまったく同じ花です。正式名は彼岸花で、曼珠沙華は別名とされることが多いようです。
彼岸花という名前は、9月のお彼岸の頃に花を咲かせることに由来しています。
曼珠沙華(マンジュシャカ)の由来は、サンスクリット語で「赤い花」という意味の「manjusaka(マンジュシャカ)」という言葉です。「沙華」の部分をシャゲと読ませて「マンジュシャゲ」とも呼ばれます。仏教の経典では、おめでたいことがあると天界から赤い花が降ってくるとされています。日本では縁起のよくないイメージを持たれやすく「毒花」「地獄花」という別名もあるほどですが、曼珠沙華は本来は縁起の良い名前です。
この他にも、花の様子から「天蓋花(てんがいばな)」「狐の松明(きつねのたいまつ)」「狐のかんざし」などの異名があります。

 

<必ず秋のお彼岸に咲く理由>

彼岸花がなぜ9月下旬のお彼岸の頃に咲くのかというと、開花に適した気温が20〜25度だからです。日本では、ちょうどお彼岸の頃にそのぐらいの温度になります。
でも、それだけでは春に咲かない理由が説明できません。春の同じぐらいの気温の頃に彼岸花がまちがって咲くことがないのは、彼岸花には一年を通した生育サイクルがあるからです。
秋に咲いた彼岸花は、冬の低温下で葉を茂らせ、晩春に枯れて、夏は休眠期に入ります。そして、夏の暑さが和らぐと休眠から目覚めて、いっせいに咲き出すのです。
花といえば、春や夏の暖かい時期に咲き乱れるイメージがありますが、ライバルの少ない秋に咲く彼岸花は、生存競争に勝ち残る優秀な植物と言えるのではないでしょうか。

 

<海外では、彼岸花は怖くない?>

彼岸花といえばお彼岸、よく墓地に咲いている、赤い色が血の色のよう、なんだか怖い…というイメージがあるかもしれません。そんなイメージを一度忘れて、彼岸花を見てみてください。
独特な花のフォルムは、なんともスタイリッシュで、おしゃれな花にも見えてきませんか? 実は英語でレッドスパイダーリリーと呼ばれる彼岸花は、海外の人にとっては特別に怖い花ではないらしいのです。彼岸花が怖いというのは日本人独特のイメージのようで、『鬼滅の刃』『どろろ』などの日本アニメの悲しいシーンに、なぜ彼岸花が登場するのかわからない海外の人が多いそうです。中には、アニメにだけ登場する想像上の花だと思った人もいたとか。世界の歴史や文化を紹介するアメリカのチャンネル「ヒストリー」により、レッドスパイダーリリーが「三途の川のもう一方の岸に咲く花」と紹介されると「ようやく謎が解けた!」「まさか実在するとは!」とネットのコメント欄は大いに盛り上がったということです。
 
分類 ヒガンバナ科ヒガンバナ属(リコリス属)
原産地 日本・中国
英名・学名 Lycoris
別名 曼殊沙華・マンジュシャゲ・リコリス
花色 赤・白・黄・オレンジ・ピンク・青・紫・複色
鑑賞期 7~10月中旬
花言葉 悲しき思い出・あきらめ・独立・情熱
当園での植栽エリア 園内遊歩道周辺
関連LINK NHK出版 みんなの趣味の園芸
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埼玉県日高市巾着田(ヒガンバナで有名なスポット)
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。

埼玉県日高市 巾着田曼殊沙華

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖