花木図鑑|ひみつの花園 | 秋桜 コスモス
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花木図鑑

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秋桜 コスモス

  • 花が咲く
  • 一年草
  • 動画情報あり
コスモスの花は、ピンクや白に加えて濃赤、黄やオレンジ色、複色が登場し、年々カラフルになっています。至って丈夫で、日当たりと風通しがよい場所ならば、あまり土質を選ばずに育ちます。日本の秋の風物詩となっているコスモスは、コスモス・ビピンナツスという種類です。道路脇や休耕地で、ピンクやまれに白い花を咲かせて群生するのが見られます。

 

<明治時代に日本に来た秋桜>

秋に咲く花といえば、秋桜(コスモス)が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。明治12年に日本に入ってきた秋桜は、今では日本の秋の花としてなじみ深い花になりました。品種改良により、変わった色や形の秋桜もたくさん誕生しています。例えば、花びらが筒状に巻かれた形の「シーシェル」や、花全体がカップのように丸みを帯びた「カップケーキ」、チョコレート色の「ショコラ」「ノエルルージュ」などの多くの品種があります。秋桜の種は4月ごろから販売され始め、夏が来る前に種を蒔けば、3ヶ月後には花を咲かせてくれます。間引きなど多少の手間はかかりますが、丈夫で育てやすく、ガーデニング初心者の方にもおすすめの花です。
 
 

<秋桜の名前の由来>

「コスモス」という名前は、ギリシャ語で「秩序」「飾り」「美しい」という意味を持つ「cosmos」「kosmos」が由来です。秋桜が整然と咲く様子から、スペイン人神父がこの名前をつけたのだそうです。このスペイン人神父は17世紀末ごろに原産地のメキシコからヨーロッパへ秋桜を伝えた人でもあります。
英語の「cosmos」には花のコスモス以外に「宇宙」という意味もあります。これは、紀元前6世紀に活躍したギリシャの哲学者ピタゴラスが名付け親です。ピタゴラスは宇宙を秩序あるものだとみなしていたことから、宇宙を「kosmos」と命名しました。
花の秋桜と宇宙はまったく無関係なようですが、実は同じ名前を持っているのです。
 
 

<ラグーザ玉と秋桜>

秋桜は明治12年に日本に入ってきたと先述しましたが、それにはラグーザというイタリア人彫刻家が関係しています。ラグーザは明治9年に西洋美術を教えるため、政府のお雇い外国人として来日します。そこで運命的に出会ったのが、日本画を学んでいた少女、清原玉です。ラグーザは、16歳の玉に西洋の絵の技法を教え、当時日本になかった秋桜の花をプレゼントしました。絵のデッサンの題材にするために贈られた秋桜ですが、花園を運営していた玉の父親は希少な西洋の花をたいへん喜んだそうです。
西洋人の恋人になることは、洋妾(ようしょう)と呼ばれてしまう時代でしたが、玉の父はラグーザとの交際を否定することはしませんでした。
ラグーザと玉は親しくなり、玉が19歳の時に日本で結婚式を挙げ、イタリアへと渡りました。玉はイタリアの美術学校で絵を教え、画家としても活躍しました。日本女性らしい奥ゆかしさから義父に気に入られ、コレラが流行したときには地域の人々を助ける活動を積極的に行いました。結婚してから一度も日本に帰ることはなかったのですが、夫のラグーザの死をきっかけに51年ぶりに帰国。晩年も日本で絵を描き続け、昭和14年に79歳でこの世を去りました。
秋桜の花言葉である「乙女の真心」「調和」「謙虚」は、不思議とラグーザ玉の人生にもあてはまるようです。
分類 キク科コスモス属
原産地 メキシコ
英名・学名 Cosmos bipinnatus
別名 秋桜・アキザクラ
花色 赤・白・ピンク・オレンジ・黄・複色
鑑賞期 6~11月
花言葉 乙女の真心・調和・謙虚
当園での植栽エリア 四季のガーデン・園内遊歩道周辺
関連LINK NHK出版 みんなの趣味の園芸
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小林市 生駒高原(コスモスの有名スポット)
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長野県 黒姫高原のコスモス

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖