花木図鑑|ひみつの花園 | 鶏頭 ケイトウ
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鶏頭 ケイトウ

  • 花が咲く
  • 一年草
  • 動画情報あり
炎のような鮮やかな花色で秋の花壇を彩る古くから親しまれている花です。学名の「セロシア」は、ギリシャ語で炎を意味する「keleos(燃える)」という言葉が語源。和名の鶏頭は、ニワトリのトサカに似ている事から名付けられたものです。

 

<鶏頭ってどんな花?>

鶏頭(ケイトウ)は鶏のトサカに似ていることから名づけられたアジア、アフリカの熱帯地方が原産の植物です。
約60の品種があり、グループ分けされていますが、いずれも学名はCelosia(セロシア)から始まります。Celosiaはギリシャ語で燃焼を意味するkeleosが語源です。この学名は鶏頭の花が炎に似ていることから来ています。鶏頭は形だけでなく花色も赤、ピンク、オレンジ、黄色など、暖色の鮮やかな色が多いことが特徴です。最近は、くすみピンクや、サーモンオレンジなどソフトな色合いの品種も増えて、人気を集めています。
また、英語名はCockscombといいます。combにはクシだけでなくトサカという意味もあり、Cockscombは、雄鶏のトサカという意味です。英語でも鶏のトサカという意味の名前なのが、おもしろいですね。
また、鶏頭の花に見える部分は花ではなく茎が変形した花序です。実際の花はその下にあり、ほとんど目立ちません。

 

<実用的な目的で渡来した鶏頭>

鶏頭は今から1200年以上も前の奈良時代に中国から渡来したと言われています。伝わってきた当初は、観賞用の花ではなく、染色用、食用、薬用に役立てることが目的だったようです。
染色用としては花が使われました。
葉と花は食用とされ、江戸時代まで食用の目的で栽培されていた記録があります。鶏頭を食べた人の情報によると、アクもなく美味しいのだそうです。
薬用とされたのは、鶏頭の中でもノゲイトウで、全草と根は「青箱(せいしょう)」と呼ばれました。青箱は、殺虫、解熱、止血剤として使われていたそうです。
平安時代には貴族たちが種を蒔いて栽培するようになり、室町時代には庶民にも知られる花になっていたそうです。
 
 

<「韓藍(からあい)」の名で万葉集にも登場>

鶏頭は、奈良時代に編纂された万葉集にも登場します。万葉集の中では「韓藍(からあい)」という名前で、歌の題材にされています。
「韓藍」の「韓(カラ)」は中国のことです。当時日本では中国をカラ(唐とも表記)と呼んでいました。「藍」は藍色ではなく染料になる花という意味です。「韓藍」は「韓の国から伝わった染料になる花」を意味します。
万葉集の時代には、鶏頭は渡来したばかりで、かなり貴重な花だったはずですが、早くも和歌に詠まれているのです。万葉集に収められた韓藍の歌は全部で4首。4つの歌すべてが、自分の庭で育てている韓藍のことを詠んでいるような歌です。
例えば「我がやどに 韓藍蒔き生(お)ほし 枯れぬれど」「我が蒔きし韓藍の花を」などの表現が見られ、読み人が大切に韓藍を育てていることが伝わってきます。もしかしたら、貴重な花を自慢したい気持ちもあったのかもしれません。
ちなみに、韓藍色はローズピンクに近い青みのある柔らかなピンク色です。鶏頭が韓藍と呼ばれることは今ではほとんどなくなりましたが、「韓藍色」は今も着物の世界などで使われることがあるようです。
分類 ヒユ科ケイトウ属
原産地 インド、熱帯アジア
英名・学名 Celosia argentea , Celosia argentea var.cristata , Celosia cristata
別名 カラアイ、ケイカン、トサカゲイトウ
花色 赤,ピンク,黄,オレンジ,淡緑
鑑賞期 7~11月
花言葉 おしゃれ、風変わり
当園での植栽エリア エントランスガーデン他
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ケイトウのじゅうたん(東京ドイツ村) by 時事通信トレンドニュース

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖