花木図鑑|ひみつの花園 | むつ紅シダレ ムツベニシダレ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

むつ紅シダレ ムツベニシダレ

  • 紅葉する
  • 高木
  • 落葉樹
枝垂性の中では、形・葉形・葉色などもっとも優れる良品。夏には少し緑色が出て暗い黄緑色になる。樹勢は強健。

 

<紅しだれの人気品種「陸奥紅しだれ」>

日本の山地に自生するヤマモミジには、園芸用に改良された品種が多くあります。その中で、枝がしだれる性質があるものは「枝垂れ紅葉(しだれもみじ)」の総称で呼ばれます。
枝垂れ紅葉は、幹がうねりながら立ち、枝は美しいカーブを描いてしだれることが特徴です。
枝垂れ紅葉は、葉の色から2つに大別されます。春に出る新芽が緑色のものは「青枝垂れ(あおしだれ)」、春の新芽が赤褐色のものが「紅枝垂れ(べにしだれ)」です。
紅枝垂れの中で、最も有名な品種は「手向山(たむけやま)」です。「手向山」は葉に深い切れ込みがあり、レース編みのように見えるところが特長です。
「陸奥紅しだれ」は「手向山」ほど有名な品種ではありませんが、葉の形、葉の色、樹形のすべてが美しい優良品種とされます。特に、葉脈の周囲だけを残したような繊細な葉は、まるで雪の結晶のようで魅力的です。
「陸奥紅しだれ」はめったに市場に出ない希少な品種です。樹木のサイズが小さめで、コンパクトに仕立てられるところも人気の一因かもしれません。テーブルサイズのものもあり、鉢植えで盆栽のように育てることもできます。
 
 

<陸奥紅しだれの四季>

春に芽吹く陸奥紅しだれの新葉は、赤褐色をしています。淡い緑色や黄緑色ばかりになる春の庭では、赤味がかった葉の色が個性を発揮してくれそうです。
夏は、多くの植物が葉の緑色を濃くする季節ですが、陸奥紅しだれの葉色は一線を画しています。全体的には暗い黄緑色の葉ですが、葉脈の紫色も加わり、複雑な色合いが生まれます。単調になりがちな夏の庭ではアクセントになることでしょう。
秋は、陸奥紅しだれにとって最高の季節です。春、夏には中間色だった葉色が一変し、すべての葉が目の覚めるような鮮やかな紅色になります。陸奥紅しだれの紅葉は、一度は見ておきたい圧巻の美しさです。
冬には、まるで枯れてしまったかのように葉をすべて落とします。曲線を描く幹と枝ぶりが露わになったオブジェのような姿を堪能するのも冬ならではの楽しみです。

 

<桜にもある「紅しだれ」>

「紅しだれ」はヤマモミジの園芸品種をさす名称ですか、桜もまったく同じ「紅しだれ」という名前で呼ばれることがあります。
枝が下に向かって枝垂れる「しだれ桜」の中で、花の色が濃いピンク色の桜が「紅しだれ」と称されます。
紅葉と桜で、樹木の種類がまったく異なるため、園芸の世界で混乱することはないようですが、桜の紅しだれには「紅しだれ桜」と桜をつけて呼んでいることもあります。
有名な「紅しだれ桜」としては、京都・平安神宮の八重紅しだれや、福島の三春の滝桜などがあります。
 
分類 カエデ科カエデ属 ヤマモミジ系
樹形 落葉高木(高さ~30メートル)
英名 Cercidiphyllum japonicum
当園での植栽エリア 石原ワールド(石原和幸氏監修エリア)
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖