花木図鑑|ひみつの花園 | 金魚草 キンギョソウ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

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金魚草 キンギョソウ

  • 花が咲く
  • 一年草
  • 常緑草
  • 動画情報あり
鮮明な色彩で色幅のバラエティに富み、春めいた賑やかさを感じさせる花です。甘い香りを漂わせ、金魚を連想させる愛嬌あるふっくらとした花形が特徴です。

 

<地中海生まれの金魚草>

金魚草はオオバコ科の多年草で、地中海沿岸部が原産地です。金魚草という名前は、和風そのものですが、南ヨーロッパ、北アフリカにルーツがある花です。
日本の高温多湿の気候には弱く、4月ごろに咲き始めた花は夏を迎える前の6月ごろには終わってしまうことが多いようです。鉢を涼しいところに移動させて管理すると、翌年にまた花を咲かせることもあります。しかし、夏を越せないことも多いため、日本では一年草扱いになっています。それでも、春の花壇を華やかに彩る金魚草は、ガーデニングでは高い人気があります。
 
 

<英語名はスナップドラゴン>

金魚草は日本には江戸時代末期にはすでに伝来していたことがわかっています。金魚草という名前の由来には、フリルのような花びらが金魚のヒレに似ているからとする説と、上を向いて開く花が金魚が口を開けた姿に似ているからとする説があります。
金魚草の英語名は「スナップドラゴン」と言います。snapには「ポキッと折る・噛み切る」という意味があり、スナップドラゴンは直訳すると「噛みつきドラゴン」という意味です。ミツバチが金魚草の蜜を吸っている様子がドラゴンに噛まれているように見えたことから、この名がついたそうです。
学名は「Antirrhinum majus」といい、ギリシャ語で「鼻に似た、5月の」という意味があります。5月は花の咲く時期だと想像できますが「鼻に似た」というのは、私たち日本人にはピンときません。タワーのように円錐型に花を咲かせる姿が、高い鼻を持つギリシャの人々には鼻に似ているように見えたのかもしれません。
 
 

<ガイコツと金魚草>

金魚草は、可愛らしい花であるにもかかわらず、ドラゴンや鼻に由来する名前がありました。それだけでなく、金魚草には「ガイコツにそっくり」な一面があるのです。
それは、花が終わった後の金魚草のサヤを見れば一目瞭然です。サヤというのは種が落ちた後の殻のこと。楕円形の薄茶色のサヤには、両眼と口にしか見えないような穴が開いていて、誰が見てもガイコツにそっくりな様子をしています。
金魚草は、古代では霊的な力があると信じられていました。金魚草を庭に植えると、魔除けになるという言い伝えもあったそうです。可愛らしい花からは、魔除けになる植物とは思えませんから、古代の人々も、花が終わった後のサヤを見て「ガイコツだ。魔力があるにちがいない。」と思ったのかもしれません。
さらに、花を食べると若さや美しさを保つことができるという伝説もあったそうですが、金魚草は今もエディブルフラワー(食べられる花)として流通してます。しかも、金魚草の花はビタミンCを豊富に含んでいるのだそうです。古代の伝説が栄養の面でも正しかったことに驚かされます。
 
 

<金魚草の花言葉>

金魚草には、「おしゃべり」「でしゃばり」「おせっかい」といったあまり良くない意味の花言葉があります。花の名前の由来がそうであったように、花を金魚や龍の口の形に見立てたことから、このような花言葉が生まれたのかもしれません。
金魚草には他にも「上品」「優雅」という花言葉もあります。こちらは、花を口ではなくフリルのようにとらえた花言葉なのでしょう。
良くない花言葉を持つ花は、贈り物としては敬遠されることもあるそうです。金魚草を贈る場合には、良い意味の花言葉を添えておくと安心かもしれません。
 
分類 オオバコ科キンギョソウ属
原産地 地中海沿岸
英名・学名 Snap dragon・Antirrihinum majus
別名 スナップドラゴン
花色 白・赤・ピンク・オレンジ・黄色・複色
鑑賞期 春~初冬
花言葉 おしゃべり・でしゃばり・おせっかい
当園での植栽エリア 石原ワールド(石原和幸監修エリア)
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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖