花木図鑑|ひみつの花園 | 百日紅 サルスベリ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

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百日紅 サルスベリ

  • 花が咲く
  • 高木
  • 落葉樹
夏を代表する花木で冬には落葉します。ツルツルした樹皮からサルも滑り落ちることが名前の由来です。夏から秋にかけて次々と開花して「百日紅」の名前のとおり長く開花します。

 

すべすべした幹が特徴の落葉樹

サルスベリは、中国南部原産のミソハギ科サルスベリ属の落葉樹で、樹高は3〜7mになります。
漢字では「百日紅」と書き「ヒャクジツコウ」という別名もあります。その名の通り、7月から10月にかけて100日以上花を咲かせます。花の色は、ピンク、赤、紫、白など。
街路樹や庭木として古くから親しまれていますが、小さな庭に植えたり、鉢植えで育てるのに適した矮小種も流通するようになりました。
サルスベリという和名の由来は、猿も足を滑らせそうなほどに滑らかな幹から来ています。

 

長安に咲き誇ったサルスベリ

サルスベリの中国名は紫薇(シビ)といい、日本でもそう呼ばれることがあります。唐の時代(618〜907年)、長安の紫薇宮廷に多く植えられたことから、この名がついたのだそうです。
当時、長安は世界最大級の都市として隆盛を極めていました。文人や学者が集まり、文化、政治経済の中心地であった長安に咲き誇るサルスベリはさぞ美しかったことでしょう。
今の日本では、いたるところに見られ、身近な存在のサルスベリですが、かつては華やかな都を彩る特別な花木だったのです。

 

朝鮮半島に伝わるサルスベリの物語

朝鮮半島には昔から伝わるサルスベリにまつわる悲恋の物語があるそうです。
昔、朝鮮半島の漁村では、水難を避けるために若い娘を生贄として龍神にささげる風習がありました。ある年、村の長者の娘が生贄に決まり、龍神にささげる儀式が行われていました。旅の途中に漁村に立ち寄った王子は、生贄の娘を哀れに思い、龍神と戦って娘の命を救います。
王子と娘は恋に落ちますが、王子には課された使命があったため「百日後に必ず戻る」と約束して漁村を去りました。
そして、約束の日。娘の元に戻ってきた王子は、深い悲しみに暮れることになりました。娘は約束の日を目前にして、病で亡くなってしまっていたのです。
娘の墓には、一本の樹が芽吹き、やがて美しい紅い花を咲かせました。その花は、まるで王子の帰りを待ちわびるかのように、百日ものあいだ咲き続けたということです。
この物語に登場する紅い花はサルスベリの花だったと伝えられています。この伝説から、サルスベリには「百日紅」という漢字名があてられるようになりました。
 

サルスベリの花言葉

サルスベリには「雄弁」「愛嬌」「不用意」などの花言葉があります。「雄弁」や「愛嬌」は、夏季に長く花を咲かせることから来ているようです。
そして、猿でも滑ると言われるほど滑らかな幹の様子は「不用意」という花言葉の由来になりました。
 
分類 ミズキ科サルスベリ属
樹形 中高木(~10メートル)
英名 Lagerstroemia indica 
別名 ひゃくじつこう
花色 ピンク・赤・白
鑑賞期 7~10月
花言葉 雄弁・愛嬌・不用意
当園での植栽エリア ツリーハウス周辺・石原ワールド(石原和幸氏監修エリア)
関連LINK NHK出版 みんなの趣味の園芸
 
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。

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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖