花木図鑑|ひみつの花園 | 水引 ミズヒキ
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花木図鑑

FLOWERS AND TREES

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水引 ミズヒキ

  • 花が咲く
  • 多年草
  • 山野草
紅白の水引に似ている様子から名前が付けられたという。細長い花序が出て、赤い小さな花をまばらにつける。

 

<ご祝儀袋の水引とのかかわり>

水引といえば、植物ではなくご祝儀袋などに結ばれる飾り紐の水引を連想する人も多いのでは?
それもそのはず、植物の水引(ミズヒキ)は、飾り紐の水引に様子が似ていることから、名づけられたのだそうです。水引に似ているとされるのは、花序の部分。長く伸びる花序はたしかに水引のようです。ただ、花序には花が細かくついてでこぼことしています。今の時代の紙ひもを水糊で固めた水引には、あまり似ていません。しかし、飛鳥時代まで水引には麻紐が使われていたのだそう。今では確かめることはできませんが、昔の水引と植物の水引は、よく似ていたのかもしれません。
また、水引の花色は、赤い花の場合に花の一部が白っぽくなることがあります。この様子が紅白の水引の色合いに似ていたから水引の名がついた、とする説もあります。

 

<野趣あふれた水引はガーデニングにも>

水引の長く伸びる花序は、他の花にはない独特な表情があります。日本の野山では、雑草のように茂っている水引ですが、ガーデニングにもおすすめです。
水引は古くから日本庭園の下草(地面を彩るために植える草)として人気があります。さりげない存在感から、今では洋風ガーデンや和モダンの庭にも用いられています。
暑さにも寒さにも強い性質で、明るい半日陰がベストですが、日陰でもよく育ちます。こぼれ種でどんどん増えるので注意が必要です。他の植物と一緒に育てる場合には、花が終わった後には種をつける前に切り戻し、増えすぎないように気をつけましょう。
赤い花にグリーンの葉の水引がポピュラーですが、白い花や斑入りの葉の品種もあります。開花時期は8月から10月で、地上部が枯れる真冬以外は、葉も目を楽しませてくれます。

 

<水引の花言葉など>

水引の花言葉は「慶事」「感謝の気持ち」「喜び」です。これらの花言葉は、お祝い事に使われる飾り紐の水引から来ているようです。
どれも縁起の良い花言葉ですが、それにまつわる逸話などはないようでしたので、代わりに秋の季語である水引が詠まれた正岡子規の俳句をご紹介します。
 
 かひなしや 水引草の 花ざかり   子規
 
この俳句を直訳をすると「とるに足らないものだ、水引草の花ざかりは」というだけの意味になってしまいますが、決してそれだけではないことが感じられます。
糸瓜(ヘチマ)が好きだったことが知られ草木を詠んだ句を多く残した子規は、ひっそりと花を咲かせる水引のことも、きっと愛情深いまなざしで眺めていたのではないでしょうか?
 
分類 タデ科ミズヒキ属
原産地 東アジア
英名・学名 Antenoron filiforme
別名 水引草・ミズヒキソウ
花色
鑑賞期 7~10月
花言葉 慶事・祭礼・喜び・感謝の気持ち
当園での植栽エリア 園内遊歩道周辺
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※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
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モデル協力:もり・りさ 中尾 聖