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御形 ゴギョウ
- 花が咲く
- 一年草
- 山野草
春の七草のひとつとして若い茎葉を食用にする。古くは草餅に用いられていたが、母子草の「母と子を杵と臼でつくのは縁起が悪い」として、草餅には蓬(ヨモギ)を用いるようになったと言われる。
御形(ゴギョウ)という名前を知らなくても、葉や茎が白っぽく、黄色い花の御形を見れば、きっと多くの人が見覚えのある花だと思うでしょう。御形ではなく、各地に伝わる別の名前で呼んでいた人もいるかもしれません。
牧野富太郎博士は、古書の多くに「オギヤウ」とあることから、正しい読み方はオギョウで、ゴギョウという読み方は誤りだと断じています。しかし、今ではゴギョウの読み方が多く見られるようです。
御形はキク科ハハコグサ属の越年草ですが、属名になっている母子草(ハハコグサ)も御形の別名です。白い綿毛が黄色い花を優しく包む様子が母子を彷彿とさせるから、という説があります。
這子草(ホウコグサ)も御形の別名で、花の終わった後に冠毛が“ほおけだつ(=ほつれ乱れて伸びきる)”ことがその由来とされます。
他にも御形には、父子草(チチコグサ)、餅花(モチバナ)、綿草(ワタグサ)、仏耳草(ブツジグサ)、鼠耳(ソジ)、兎の耳(ウサギノミミ)などの数えきれないほどの呼び名があります。多くの呼び名は、御形が人々にとって身近な花であることを表しているようです。
辞書『大言海』には、御形は「母子の人形(ひとがた)なり」と載っています。
このことから、御形とは母子のけがれを落とすために使われた人形を意味するのではないかという説があります(有岡利幸『春の七草』法政大学出版局より)。本の中では、他の草よりも白っぽい葉を持つ御形は、人に見立てやすく、紙の人形の代わりにしていたという説が紹介されています。けがれを祓うため、川に人形を流す風習がありますが、河原に生えている御形はその点でも好都合だったということです。
今でも、神社ではお祓いには白い紙で作られた人形を用いています。白い紙が貴重だった頃、白っぽい御形が人形の代わりになっていたということはあり得る話かもしれません。
御形がけがれを祓うために使われたらしいことがわかりましたが、続いて「母子のけがれ」とは何かを考えてみたいと思います。
母子という点に注目すると、出産の後にお祓いをした可能性も考えられます。現在も残る産後のお宮参りには出産による忌みを祓う意味があります。昔の人が御形を用いて、産後のお祓いをしていたとしても不思議ではありません。
また、けがれには「気枯れ」、つまり「気(エネルギー)が足りていない」という意味があり、出産は「気枯れ」の状態とも重なります。
昔の人々は、出産で使い果たしたエネルギーが元に戻り、母親も生まれた子も健やかになることを願って、御形を川に流したのかもしれません。
<古くから日本にあるおなじみの花「御形(ごぎょう)」>
御形が中国大陸から日本に伝わったのは有史以前のことと言われています。つまり、御形は日本古来の植物といってもいいほど、日本に根付いている植物なのです。北海道から沖縄まで全国の道ばたや畑、空き地などいたるところに自生しています。御形(ゴギョウ)という名前を知らなくても、葉や茎が白っぽく、黄色い花の御形を見れば、きっと多くの人が見覚えのある花だと思うでしょう。御形ではなく、各地に伝わる別の名前で呼んでいた人もいるかもしれません。
<母子草、這子草なども御形の別名>
御形は、春の七草の一つでもあります。覚え歌にもうたわれるように、御形はゴギョウと読むのが一般的です。牧野富太郎博士は、古書の多くに「オギヤウ」とあることから、正しい読み方はオギョウで、ゴギョウという読み方は誤りだと断じています。しかし、今ではゴギョウの読み方が多く見られるようです。
御形はキク科ハハコグサ属の越年草ですが、属名になっている母子草(ハハコグサ)も御形の別名です。白い綿毛が黄色い花を優しく包む様子が母子を彷彿とさせるから、という説があります。
這子草(ホウコグサ)も御形の別名で、花の終わった後に冠毛が“ほおけだつ(=ほつれ乱れて伸びきる)”ことがその由来とされます。
他にも御形には、父子草(チチコグサ)、餅花(モチバナ)、綿草(ワタグサ)、仏耳草(ブツジグサ)、鼠耳(ソジ)、兎の耳(ウサギノミミ)などの数えきれないほどの呼び名があります。多くの呼び名は、御形が人々にとって身近な花であることを表しているようです。
<御形という言葉のもつ意味>
多くの別名がある御形ですが、そもそも「御形(ゴギョウ)」という言葉にはどんな意味があるのでしょうか?辞書『大言海』には、御形は「母子の人形(ひとがた)なり」と載っています。
このことから、御形とは母子のけがれを落とすために使われた人形を意味するのではないかという説があります(有岡利幸『春の七草』法政大学出版局より)。本の中では、他の草よりも白っぽい葉を持つ御形は、人に見立てやすく、紙の人形の代わりにしていたという説が紹介されています。けがれを祓うため、川に人形を流す風習がありますが、河原に生えている御形はその点でも好都合だったということです。
今でも、神社ではお祓いには白い紙で作られた人形を用いています。白い紙が貴重だった頃、白っぽい御形が人形の代わりになっていたということはあり得る話かもしれません。
御形がけがれを祓うために使われたらしいことがわかりましたが、続いて「母子のけがれ」とは何かを考えてみたいと思います。
母子という点に注目すると、出産の後にお祓いをした可能性も考えられます。現在も残る産後のお宮参りには出産による忌みを祓う意味があります。昔の人が御形を用いて、産後のお祓いをしていたとしても不思議ではありません。
また、けがれには「気枯れ」、つまり「気(エネルギー)が足りていない」という意味があり、出産は「気枯れ」の状態とも重なります。
昔の人々は、出産で使い果たしたエネルギーが元に戻り、母親も生まれた子も健やかになることを願って、御形を川に流したのかもしれません。
分類 | キク科ハハコグサ属 |
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英名・学名 | Gnaphalium affine |
別名 | 母子草・ハハコグサ・御形・オギョウ・ホウコ |
花色 | 白 |
鑑賞期 | 2~6月 |
当園での植栽エリア | 園内遊歩道周辺 |
関連LINK | ・七草粥の豆知識 キッコーマン ・みんなの花図鑑 powered by goo |
※植物名称は、通名・流通名で記載している場合があります。
※「花木図鑑」でご紹介する植物は、当園及び周辺地区で生育している植物です。
※花木は生き物です。記載の鑑賞期に必ずご覧頂けることを保証するものではありませんのでご了承ください。
※「花木図鑑」やガーデンの植物については、Twitterやブログの #あくね花だより でもご紹介しています。
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